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2007年 06月 14日
『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂幸太郎
大学入学のために越してきたアパートで 出会った長身の男・河崎。 どこか謎めいたその男は、椎名に書店強盗を 持ちかける。狙うのは、たった1冊の広辞苑。 そんな奇妙極まりない提案など断るつもりだったが 何故か本屋の裏口で見張りを任されてしまい・・・ 椎名が妙な出来事に巻き込まれる「現在」と、 ペット殺しが連続して起こっていた「2年前」の話 が交互に展開される。 「現在」の話が進むほどに「2年前」に何が起こったのか分かってくる。 「現在」に登場する人物と登場しない人物達の間に何があったのか― 読めば読むほど先が気になる。 過去の話を読むと現在登場している人物の行動や発言の由来が 分かったりして、納得したり切なくなったり。 最後の方で明かされる仕掛けとか。 こういう読ませ方がやっぱり流石だなあと思います。 ただ読んでいてどうしようも無く「終わっている」話なんだなあと。 「現在」は全て「2年前」に由来していて、その後片付けみたいな。 椎名くんの存在はあまり意味が無く、本当に最初から最後まで 部外者で終わっているし。 そういう設定だからしょうがないんですが、過去にしか向いてない、 この先に新たな展開が望めないという点で なんだか寂しく思ってしまう話でした。 なので面白いとは思うけど「ラッシュライフ」や「陽気なギャング~」の方が 好きかなあ。 「ペット殺し」と言えば10年くらい前に起きた矢ガモを思い出します。 そういうことが簡単に出来る気持ちを理解することは出来ないけど 自分よりも弱いものを痛めつけて幸せを感じるってのは 一般的では無いだろうし、それはそれで不幸だろうなあと。 本人がそう思うかどうかは分からないけど、多くの人が幸せだと 思うことを自分も幸せだと思える方が人生生きやすいと思うし。 あと新井理恵の「×」にペット虐待した人間に同じ虐待を与えて 復讐する正義の味方がいたことを思い出した。 なんて素敵なアイディア!と思ったけど、いちいち罪を償いに 服役するのでたまにしか活動できないってオチでした。 まあ散々他の生き物をかっくらって生きている私たちだけに こういう問題は突き詰めようとすると、ドン詰まりになるからなあ・・・ この「アヒルと鴨」は文庫になって早々に購入したんですが 先に読んだ某氏の「下らない」って感想に、思いっきり 読む気を削がれ、しばらく放置されてました。 読み終わって個人的にそんなに好みではありませんでしたが どこをどう読んでも「下らない」って内容じゃないよなあ?と 不思議に思い聞いてみました。すると、 「なんかさあ、とにかく下らないんだよ。例えば『青い空』を表現するのに、 何行も何行も長ったらしく書く感じとか嫌なんだよねえ。」 と訳わからんことを言うので 「小説ってそういうものですよね?」 ただ「青い空」って書くなら小説家いらんだろうと聞いてみると 「いや、そうなんだけど・・・なんていうかわざとらしいんだよ。 自然じゃないっていうか。」 と言われてようやく検討がつきました。 「ああ・・・ちょっとオサレっぽい文章が嫌なんですね。 それは分かる気が。村上春樹とか嫌いじゃないですか?」 と言ってみたら 「あーそうかもねえ。村上春樹は昔1冊読んだだけで覚えてないけど。」 とのこと。 ものの価値は人それぞれですから、そういう評価もあるでしょうね。 この人の場合はK-1とか刃牙が高尚で、デスノートや伊坂さんが 低俗に当たるようです。 個人的には貴様の方が十倍は下らない存在だぞ、と思いましたが 黙っときました。
by gis-uk
| 2007-06-14 00:54
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