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2007年 09月 27日
「いぬかみっ!」 有沢まみず
犬神使いの一族でありながら、一人の犬神も 手に入れられず勘当された川平啓太。 そんな啓太のもとに一人の犬神から彼に憑きたいとの 申し出があり、喜び勇んで迎えに行く。 彼を待っていたのは、着物を着た清楚で 美しい黒髪の女の子の犬神「ようこ」。 その従順な態度に有頂天になる啓太だったが 契約を交わした途端、ようこの態度は豹変し・・・ 本屋で見かける度に「これは無い」と思っていたんですが。 欲しい本が見つからなかった腹いせにゼロ魔と 一緒に買ってみたんですが、予想外に面白かった。 我が儘で嫉妬深く乱暴者なようこと、彼女に振り回される啓太。 基本これだけなんですが、なんか楽しい。 啓太はエロで馬鹿なので、他の女の子に色目を使っては ようこのバイオレンスなお仕置きを受ける。 でもめげない。 ラムちゃんとあたるくんみたいな感じでしょうか。 能力不足で勘当、のあたりは「風の聖痕」の和麻に似てますが 中身は全然違うな。 でも啓太もようこの面倒もなんだかんだで見てるし、 色々隠されてる設定があるっぽいので、 上っ面だけではなかなか判断できないっぽい。 ようこは啓太が好きなくせに、彼を困らせるのも 超楽しいという超サディスト。 誘惑するだけして、手を出そうとすればマッパで 野外に放り出す鬼です。 こればっかりは啓太が不憫に思えるよ。 露天風呂に一緒に浸かって裸をさらすようこ。 「それより、わたしにちゃんとよくじょーした?」 「わ~い、ケイタがわたしによくじょーした!」 なんというむごい仕打ち・・・ これにはさすがに同情の涙を禁じえない。 本心では啓太とそういう仲になってもいいと思ってるようこに 啓太の祖母の犬神・はけがちゃんと段階を踏むように諭してます。 が、「はけの教育」に出てくる平安時代の段階は 「文の交換。その後三晩殿方に通って頂いて露顕のモチを食べる」 通って頂いた時点で既に同衾してませんでしたっけ? 海野つなみの「後宮」でそんな描写があったような。 そうだとすると、むしろ平安時代の方が展開が速いですね。 現代なら出会い系で知り合って「じゃ、ホテルでも」って感じ? 平安時代恐るべし。 温泉編で出てきた猫又の留吉さんの可愛さに惚れそうになりました。 読むまでは少女漫画チックな絵柄に拒否反応を起こしてたんですが 読み終わってみれば、可愛いじゃん。むしろこれしかあり得ない? って気になってました。不思議なものだ。 クリスマス編は男の裸が乱舞する肉色聖夜なお話で いい感じに変態じみていてその馬鹿さが非常にツボでした。 あと作者のプロフィール「東京生まれ、パキスタン育ち」に何気にビックリしました。 アニメ版も観てみたいものですが、クリスマスの話なんかは さぞイヤな絵ヅラなんだろうなあ。
by gis-uk
| 2007-09-27 01:43
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