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2006年 08月 16日
『海馬が耳から駆けてゆく①』 菅野 彰
「暴れん坊本屋さん」でもネタにされた 『海馬が耳から駆けてゆく』の文庫版。 ようやく発見できたので読んでみる。 BL小説を書いている作者の身の回りで起きた事件や 仲間や家族についてのエッセイ。 当然ながら小説は読んだ事無いんですが、 知らなくても十分楽しめました。 特に7つ下の弟とのエピソードが素敵すぎます。 7つ下という事で飼い猫と同じレベルで扱われてきた弟は 立派に成長し全国2位の学生ボクサーになったそうな。 ガタイのいい弟と教員免許まで取ってBL小説家の姉が なんてことない川で遭難しかける話には笑い事では無いと 分かっていても吹いてしまう。人の災難話は愉快だ。 大人になってもこれだけ仲のいい姉弟も珍しいと思うんですが 家族内に信頼関係は無いらしく、お母さんは夜中に電話が鳴ると 姉がいなければ 「・・・・・・警察かしら。お姉ちゃんが何か・・・・・・」と思い 弟がいなければ 「・・・・・・警察かしら。けいちゃん(弟)が何か・・・・・・」と思うらしい。 一体どんな姉弟なんだと疑惑に駆られますが、弟いわく 「もしも父ちゃんが生きてたら、俺は全身刺青のヤー公で、 姉ちゃんはヒモ付きのピンサロ嬢だぜ。俺のシマに姉ちゃんがいて、 ショバ代貰ったりしてよ。なあ姉貴?」 こんな姉弟らしい。どこのヤクザ映画だ。 二人が(今のところ)まともに育ってくれて良かったですね。 他にも酔って目覚めたら他人のパンツをはかされてた (ついでに足に便座カバーをはかされそうになった)話とか 初詣に行って渋滞に巻き込まれて、新年早々野ションした話とか 捨て身のエピソードに大変笑わせてもらいました。 江戸文学を専攻してたとかで「雨月物語」とか井原西鶴とか 古典を読んでいると知って自分の中で急激にポイントが上がりました。 友人の中によしながふみとか雁須磨子とかなじみの名前も出てきて らしい交友関係に納得。 BL小説家らしいエピソードはあまり無いけど 「濁り酒を唇の端からたりっと垂らして・・・・・・×××××」 なんていうお下劣なジョークは一般人では ちょっとお目にかかれないんじゃない気がします。 普通ヒくよ。つーかヒいた。 ひとつひとつのネタはそれほど特異なものではない(そうでもないか・・・) はずなんですが書き方が上手なのか大層ツボにはまってしまいました。 漫画はアレやソレの描写が見ていられないけど 小説ならなんとかなるかなあ。どんなの書いているのかなあと Amazonを見てみたら 「高校教師、なんですが。」 ・・・・・・・・・ ちょっと無理かなあ・・・ 本屋に寄ったら今月の「ダ・ヴィンチ」が「このボーイズラブ作品に芥川賞を!」という 特集をしていて三浦しをんさんがBLを語ってました。 「オイオイ」と思いましたが、今市子の「楽園までもうちょっと」が入ってたので 好印象。これよりBL臭の薄い「大人の問題」のが好きですが。 今市子作品は「男だけの閉じた世界ではなく女も登場する」のと 「エゲツないラブシーンが無い」ので安心して読めます。 今まで読めたそれ系は あとり硅子の「黒男」 〈ディアプラス掲載作品だけど作者が「ヌルくてすいません」と 言うくらいエロくない。楽しくていい話) 羅川 真里茂の「ニューヨーク・ニューヨーク」 (これはBLじゃないよな。人間ドラマが素晴らしい) よしながふみの「西洋骨董洋菓子店」 (魔性のゲイさえ気にしなければ。ケーキ屋とは思えないラストの展開には圧倒されました) くらい。BLだからと避けてると良作を知る機会も失いかねないので微妙なところ。 エゲツないシーンが無くてストーリーも素晴らしい作品が あれば是非チャレンジしたいとは思ってはいます。 ただそれを知る術がなかなか無いんだよなあ。 ちなみに「女の子のためのトチ狂ったBL」が苦手なだけで 同性愛の人には何の含みもありません。 感情の面だけで言えば好きな相手が必ず異性と決まっている方が おかしいんじゃないかと思います。 それに恋愛対象と性的嗜好が必ずしも一致するとも限らないんじゃないかとも。 そういう常識の中で生きてるから一般的に異性を好きになるけど 普通にどっちもありだったら同性を選ぶ可能性は高い気がするなあ。 大きく話がズレてしまいましたが、良作のBLを見つけるという意味で 「ダ・ヴィンチ」の特集は有効なんじゃないかと思いました。 まあそんな事思いつつも「カーサ・ブルータス」を買ったんですが。
by gis-uk
| 2006-08-16 01:13
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